[ ある日の追憶 ] 「なあ」 かつては神速と言われた騎士・・・その当時は剣士だったが・・・が語りかける。 「なんだ?」 かつては神速と言われたアサシン・・・やはりその当時はシーフだったが・・・が応える。 「金は稼いだし・・・ここも飽きたな」 「そうだな・・・ぼちぼち次の世界に旅立つか」 腐臭に満ちたオークダンジョンの隅で二人は呟いた。 イズルードの流通商人の家に生まれ、特に不自由を強いられたわけでもなく育った俺が突如プロンテラ騎士団に入り、そして離脱し放浪の身となった理由は今も思い出せない。ただ、そうして漂流し、最後にたどり着いたのがモロクであった。 ふと足を踏み入れた酒場に文字通り住み着く人々の生き様にある種の共感を覚え、その住人となった。数々の仲間との出会い、そして別れ・・・全てが今の俺を形作っている。 「なぁ、誰かアルデバラン方面のポタないか?」 入るなり挨拶もなしにそう言う。俺のいつものやり方だ。戦闘を前に会話などしたら気が削がれる。 「あるよー」 同じような道を辿った破戒僧が応える。 「頼む。あぁ、こいつの分も込みだ」 そう言って報酬を渡す。 「ではいきます。ワープポータル!!」 世界と世界を繋ぐアコライト特有の技だ。指定した場所に空間転送ゲートが開く。片手を上げながらそれに乗り込んだ。 「・・・ここか」 そこはアルデバランの南側だった。少々歩くが決して遠くはない。いい位置だ。 「どうやら歓迎のようだな」 そう言ってアサシンがカタールを構える。俺も細身の、それでいて恐ろしく長い両手剣を構えた。 「ちっ、面倒だ・・・スプリガンコンビネーションでいくぞ」 「おうよ」 それぞれのスキルを発動する。 「ツーハンドクイッケン!!」 「ソニックブロー!!」 文字通り音の壁を越えた攻撃がアルギオペに叩き込まれる。まさに一瞬。敵は反撃すら出来ずに砕け散った。 「よし、行くか」 「ああ」 しばらく歩くとアルデバランの城壁が見えてきた。 「ここに雪の街、ルティエが・・・」 「今度は楽しませてくれるのかな?」 「それこそ行ってのお楽しみってところだな」 「ふ・・・そうだな・・・入るぞ!」 『サーバーとの接続がキャンセルされました』 ・・・落ちが全て。いいかげんにしろ癌呆ヽ(`Д´)ノ