If you wanna be there.....
これはどこにでもある話・・・でもどこにも存在しない話・・・そしてまだ自分が自分を認められなかったときの話・・・
相馬裕次郎は思い返していた。今はもう遠い話、遥か彼方に消えた記憶の破片・・・ 彼には力があった。それは意識すまいと思っても勝手に発動する力・・・未来を断片的に見ることが出来る力。
夢を見た。何もない場所・・・一切の迷いを打ち消すかのような無が在る場所・・・
「おまえは1992年に死に、そして2070年に生まれる。そしておまえは世界を見る。おまえがよく知っている、 だが理解できていない世界を・・・」
なんのことかがさっぱりわからなかった。今までだってよく意味のわからない表現を「受けた」ことはあったがこれほど意味の通じない ものはなかった。 過去に死んで未来に生まれる?順序が逆じゃないか。1992年に俺は生まれたんだ、きっと2070年に死ぬという意味だろう。 だがそんな解釈が間違っていた・・・そのことを、もう俺がそんな出来事をとっくに忘れてしまったころに思い知らされるのだった・・・
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「あっという間に年をとってしまったな・・・」 もう21世紀になってもうだいぶ月日が経った。俺ももう専門学校を卒業してフリーのカメラマンになっている。 もっぱら撮っているのは雑誌などの表紙になる小物や風景だったが、そのために取材と称して世界中を駆け巡ることが出来たし、特に 他人に干渉されることもない気ままな暮らしだという点がありがたかった。
家はない。どうせあちこちを旅するのだと去年間借りしていた下宿を出てそのままで、普段はビジネスホテルかモーテルを転々と している。 「まったく・・・なんだってこんなに忙しいかね・・・普通ただのフリーランスってもっと干されていると思っていたのに・・・」 今日も一仕事終えて夕食を軽く済ませたところだ。自分でいうのもなんだがさすがに学生時代に個展を開けるような才能をもつ俺を 世間は放っておかないらしい。 「よっと。む・・・さっとね」 謎の掛け声とともに俺はカメラの手入れをする。商売道具だ、手を抜いてはおまんまにありつけなくなる。俺としては暇なのもいいが 食うに困るというのはシャレにならない。 俺が使っているカメラはnikonF5だ。シャッターを切っても音すら聞こえない。特別な品というわけではないが 一般の使い捨てカメラが数百台は買えてしまうお値段らしい。親父から譲り受けたものなんでよくは知らないが。
なんにしても明日も忙しいんだ、今日はさっさと寝てしまいますか。 「おやすみ〜」
だが、彼はもう二度と目を覚ますことはなかった・・・ら話が終わってしまうではないか。
「だああ!こんな時間から寝られるかあ!」 時計を見る・・・いかん、まだ午後8時だ。いくらなんでもこんな時間から寝たら朝は4時に目が覚めてしまう。 「しゃ〜ねえ。麻雀、カラオケ、ゲーセン・・・ってどれもひとりで行ったら寂しいぞ、おい。」 携帯電話。最近のはつくづく便利になったもんだ。せいぜい100g程度の重さしかないくせにイリジウムときた。通話料もかなり 安い。もう通常回線は用済みだな。
トルルルルル・・・トルルルルル・・・
「はい、吉住ですが」 「うい。俺様だ。遊びに行くぞ。」 「その失礼極まりない態度とヒキガエルのような声はゆ〜じだね。どうしたんだい?ホームシック?といっても俺に電話かけて くるってことはこっちに帰ってきてるんだよね。今どこ?」 「俺の態度は目下の者に対するものとしては至極当然だし、美声と謳われている俺の声にヒキガエルなどという例えは似合わないし、 この整った顔立ちにもまったく不釣合いだぞ。ついでにいえば俺にホームシックになる要素などどこにもこの国に残ってはいないし それに・・・」 「あ〜、、、はいはい、年取ると独り言が多くなるのも分かるけどそっちからかけているんだから電話代がもったいないよ。どこに行くか って訊いてるんだってば」 ・・・・・相変わらず他人の話を遮るのがうまい奴だ。その外道な割り込み必殺技が何度女を口説く俺を邪魔したと思っているんだ・・・? 「だっていっつもゆ〜じは相手の体目当てなのがわかるからね。そんなんで女の子を傷つけられたらおいちゃんは悲しいじゃないか。」 「・・・・・地の文を読むな・・・・・」 「気にしない気にしない。じゃあ煉瓦亭でいいかな?僕夕飯まだなんだ。。おいしいもの食べに行こうよ!」 「・・・わかったよ・・・じゃあ40分後に煉瓦亭な」 「了解。遅れたら1分ごとに千円おごりね。じゃあまたあとで」 ガチャ・・・
はあ・・・なんだってあいつと話をすると疲れるのだろう・・・きっとつっこみをいれずにボケを止めるからだな、うん。
あいつとはもう十年来の付き合いになる。いまだにこの関係が続いているのが不思議だが、たしか同じサークルで知り合ってそのまま 今まで腐れ縁が続いていたような、そんな関係だったと記憶している。
さて、じゃあ身支度は終わっているし・・・ちょっと待て、煉瓦亭までって急いでもぎりぎりじゃないのか・・・? 「はめられた!」 ダッシュをかける。1分で千円がトぶというのはシャレにもなっていない。いそがねば。 「うだあああああああああ!」 俺はホテルの階段を10段飛びで駆け下りる・・・というか飛び降りる。 「おいちゃん!車出してくれ!銀座まで!」 俺は言うと同時にマン札をつかませる。 「へっ・・・あいよ。しっかりつかまってなぁ!」 タクシーは急発進を通り越した速度ですっ飛ぶ。メーターを見ると・・・やめよう・・・恐い・・・
「着いたぜお客さん。ほら、いそぐんだろ?」 「はあはあ・・・勘弁してくれ〜」 時速***kmで下を飛ばされたせいか寿命が21分縮んだような気がする。
時計は・・・よし。大丈夫だ。さて・・・圭司は・・・ 「ゆ〜〜〜〜じ!ひさしぶり!」 「をを、け〜じ!・・・・・おまえなんか苦労してんのか?」 「へ?なんで?」 「だって・・・俺が最期に見たおまえに比べるとすげ〜肉がついているぞ・・・」 「ちょっと・・・最期って字がヤバイよ・・・」 「ま、あん時は骨川ス○ヲ君だったからな。そんくらいがちょうどいいだろ」 「まったく・・・まあいいや。行こうよ。ラストオーダーたしか9時半だよね、おかわりが頼めなくなるよ」 「頼む気か・・・?こんなレストランで・・・?相変わらず読めん奴だな〜」 そういいつつ俺も後を追う。
「ちわ〜」 「いらっしゃい。おお、相馬君か。久しいな。半年振りくらいか?圭司君も元気そうだね」 「そうっすね。お久しぶりです」 「ご無沙汰してます〜」 「じゃあ俺はいつもの洋食弁当で。窓側のテーブルあいてますよね?」 「ああ、大丈夫だ。圭司君もオムレツにハンバーグでいいのかい?」 「はい、お願いします」
いつもの俺だったら「その歳でオムレツにハンバーグきゃ?いい趣味してるね〜」とからかうところなのだがこの店のオムレツと ハンバーグは絶品なので何も言わない。かくいう俺の頼んだ弁当セットにもハンバーグがついている。
「さて。改めてひさしぶりだな。元気だったか?」 「うん。そっちも元気そうで。今回はどこまで行ってきたの?」 「ああ、取材でちょっとオーストラリアまでな。なあに、観光庁のパンフの写真だよ。楽な仕事だ」 「そう、まあ何にしてもお疲れさま。・・・あれ?」 「ん?どうした?道端に生えてるキノコでも食ったか?」 「・・・・ゆ〜じ・・・なんかあったんでしょ?」 「・・・なんでそう思う?」 ていうか俺のボケにつっこめ、おい。 「なんというかね、面倒をかかえてそうな顔をしてるんだ。わかるよ、もうゆ〜じとは長い付き合いだしね」 仕方ない。圭司のこういう直感と思い込みにはかなわない。事実として俺にも問題がなかったわけではないしな。 「また・・・アレを見たのかい?」 核心をついてくる。・・・少し真面目な話になりそうだ。
「・・・・・ああ。それももう忘れていたようなものを再びな。同じものを二回も見るというのははじめてなんだ。・・・俺の人生に 関わってくる事件が起こるかもしれない」 「その能力があるだけでもう人生にまずい要素がからんでいると思うけど・・・まあいいや。それでどんな夢?」 「・・・さりげなく失礼なこと言われた気がするが・・・まあいい。今回のはな・・・おそらく俺が死ぬ時の話だと思う」
俺はあの夢について説明した。俺にしては恐ろしく理解しづらい説明をしてしまったかもしれない。だが、そんな俺の話をすべてでは ないがわかってくれる。そんな力があるのもこいつと長年友人関係が続いている理由だろう。
誰にでも特別な力はある。それは無意識に使っているから本人がよほど妙な力でない限り気づけないだけだ。 そしてここにもその能力に気付いてない奴がうんうん唸っている。
俺はすこし間を置いて、圭司の言葉を待った。
「そっか・・・たしかに変な話だね。過去と未来が逆転してるよ。聞き間違い・・・なんて夢にあるわけはないしね」 「それはないだろうな。本当に今回は得体が知れない。不気味な予感だけがある・・・そんな感じなんだ」 「そういう予感ってけっこう当たるんだよね。ほら、虫の知らせとかさ、風の便りとか」 「ふたつめは用法が違うが・・・まあそんなところだな」
そんな圭司のボケを軽く流せるほど俺は重い気分になる。男が泣いていい3つのことをやってしまったくらい重い。
そうこうしているうちに料理が運ばれてくる。この店のいいところは季節のスープがついてくるところだ。本来は ディナーセットにしかつかないのだが顔なじみの俺達には頼んだものに関わらずつけてくれる。
「どうも。お、今日はパンプキンスープかい?」 「ああ、作りおきで悪いがね。ここんところ物騒な事件が続くせいか夜は人が来ないからな」 「物騒?またなんかあったのか・・・」 相変わらず俺は世事には疎い。お国柄というのは理解していないと仕事はしづらいが一過性の事件にはとんと興味がない。 必要ないのだ。だがこれは芸術家としてはどうかと自分でも思う。 「そのくせ直す気はまったくないんだからたちが悪いよな・・・」 「あ、ゆ〜じが遠い世界にいってる」 「・・・遠くはないぞ、ヲイ。だいたい物思いに耽るのがどうしていけないのだ?」 「だっておじさん待ってるんだもん」 「ををう!悪い!いや、すんません、んで、どんなことが?」 「あ、ああ。実はな・・・」
どうも最近のこの国は治安が低下しているらしい。なんでも妙な力をもった・・・世間からは”WALTZ”と呼ばれている・・・集団が 各地でテロ活動を行っているらしい。
「テロか・・・この国もずいぶん変わったもんだな」 「奴らがやっているのは無差別テロとしか思えん。一昨日は国営マンション、その前は大学の研究機関だ。・・・その際に気になること があってな。・・・人をさらっていくんだ。そのあたりで有名ないわゆる‘特別’な資質をもった者をな」 「変な奴を集めてるってことか?酔狂な連中だな。ま、俺もそのうち狙われるかも、な〜んてな」 「気をつけろ。特に予知能力のようなものを持っている連中を狙うらしい。ひょっとしたら・・・君も・・・なんてな」 「勘弁してくれ。そういうことをいっていると本当になるんだ。危ない目に遭うのは御免だね」
しかし・・・つくづく悪い予感とは当たるもののようだった。
気配が近づいている・・・ そう思ったと同時に外に無数の殺気が現れる。しまった、気付くのがちと遅かったか!武器は・・・ない。 普段持ち歩いている小刀一本だ。 「ゆ〜じ!外に!」 ガシャン!窓が割れる。その先に・・・ 「手榴弾だと!?」 俺はとっさにそれを投げ返す。しかしすでに外には気配はない。 「ダメか!け〜じ!裏から出るぞ!」 「う、うん。・・・・・でもやっぱり遅かったようだね・・・」
響く爆音とともに階段からひとりの女が上がってくる。 一瞬俺はそれをあまりに場違いだと思った。しかしそいつはあまりにもその場に似合いすぎていたからかもしれない。 そいつはただ真っ白な・・・純白のスーツに白いクロスボウを持っていた。
「相馬裕次郎・・・おまえがそうか。来てもらう。そっちの奴も一緒にな」 「そういうあんたは誰なんだ。女性からのお誘いを断るのは失礼だが名前くらい名乗ってもらわないとな」 ビュウ!俺の頭の横を疾風が駆け抜ける。それと同時に壁に鈍い音が走った。 「余計な詮索は必要ない。おいおい説明してやる。おまえが本当に‘そう’ならな」 「冷たいねえ・・・ま、しゃ〜ねえか。俺はフラれてばっかだもんな、なあけ〜じ」 「え?そ、そうかな・・・単に要領が悪いだけじゃ・・・」 こんな時まで俺のボケに付き合ってきっちり厭味を言ってくれるこいつはほんとにありがたいと思う。よっしゃ、落ち着いた。さて・・・
「よし、け〜じ、いつもの奴だ。CODE−HS。Fでな」 「え?・・・・・わかったよ」 俺は少し前に出る。そして・・・ ドン!圭司のワイヤースタンガンが火を吹く。ねらいはボウガンだ。 それと同時に俺が走る! 「くらえぇぇぇ!」 中段蹴りを変化させて足元を狙う。そして同時に相手の側面からナイフの背を首筋に叩き込んだ・・・はずだった。 しかしそいつはそれをいともあっさり左腕ではじく。 「ぐっ・・・な、なんだって・・・」 「素人の生兵法は怪我の元だぞ、相馬。少し手荒くいくか?」 「ヤダね。俺は痛いのは嫌いなんだ」 言いつつ足払いをかける。転ばせればタイムラグで逃げられるだろう。 「うりゃあ!」 ねらいどおりだ。そいつは倒れなかったが一瞬ひるむ。 「よし、脱出だ!」 俺は二階の裏にある窓から飛び降りる。 く、ここにもいるか、やっぱ。 「どけえぇぇぇ!」 何度か海外で遭難したことがある俺は信号弾と煙幕がわりになるスモーク弾を持ち歩いている。俺は煙幕を投げると人の少ないほうを 通り抜ける。
はあはあはあ・・・よし、タクシーだ。 「運ちゃん!行き先はあとだ!全力でここを離れてくれ!」 俺はこのとき自分の運がないことを悟る・・・行きに使った奴だ・・・ 「へっ・・・今日は珍しい日だな・・・またあんたかい?了解。今度は手加減しねぇぞ」 さっきはおさえていたのかぁぁぁぁ!俺の心の絶叫がいつまでも響いていた・・・
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ようやく俺は自分の泊まっていたホテルにたどり着く。幸運なことにこちらは名前の必要なほど格式高いホテルではなかったので 手が回っていないようだった。
あ・・・け〜じ忘れてきた・・・無事逃げおおせていることを願おう・・・
俺は手早く荷物をまとめると車に向かう。行き先はもう決まっていた。
しかしさっきは止めるスペースがないからとタクシーで行ったのは正解だったな。もしあれでいってたら今ごろとっくにおじゃんだ。
愛用の中型車だ。別にだれかを乗せるわけではないが荷物を多く載せるためにワゴンを使っている。 念のため装備を整える。持っているのは・・・
普段から持っている和泉守兼定の小刀、自分で研いだサバイバルナイフ、蝶の奴(あえて言うまい)、それに煙幕が3つ、閃光弾が1つ、 特殊警棒、け〜じからもらった300万ボルトのスタンガン・・・これで全部か。
はっきりいって趣味の範囲でこんなものを持ち歩くというのは物騒でならないが小刀や警棒は幾度となく俺の命を救っている。 備えあれば憂いなしだ。もっとも備えがあっても事件には巻き込まれるが。
先生の家・・・・・俺がこれから向かう場所・・・・・はここから3時間ほど行った廃棄されたメガフロートの水中にある。 車では入れないので乗り換え、ということになるだろう。
先生というのは俺の昔からの師匠で、俺に体術や武器の扱い方、そして生きる術を教えてくれた人だ。何かあるたびに他に行くあても ない俺は彼を頼ってしまう。そしてその期待は裏切られたことがないからだ。しかしそれも甘えなのかもしれない。
つけられている・・・まあ当然か。俺は道の路肩に車を止めると装備を整えて外にでる。 しかしそこにあったのはよく見知っている影だった。
「なんだ先生だったのか・・・もう事件のにおいを嗅ぎ付けたのか?」 「ああ、おめえさんが厄介ごとに巻き込まれるって神託があってな。もってきてやったぞ。ひととおり・・・逃げ切れるだけのものはな。」 「神託ね・・・ただの情報網をなんでそう呼ぶんだか」 「気分の問題だ。かっこいいだろ?」 「・・・ほんと、あんたは俺の師匠だと思うね。そういうところが」
俺は先生からベレッタM8000Fクーガー、コルトM16、ハンドグレネード、スパス12ショットガンを受け取るといつもどおり ウエストポーチとカメラの中からフィルムを取り出す。
「よし、いつもどおりだな。今回の仕事料からこの分は差し引いておくぜ」 「しっかりしてるな、俺がこんな状況にあるっていうのに・・・」
実は俺の仕事はほとんど先生からもらっている。収入は振込みだが俺は彼以外から直接もらったことはないし、依頼主もよくは知らない。 ただ、たいてい俺の写真は街中で見かけられるほど有名な雑誌、あるいは広告に載っている。
「今度ばかりはおめえが生き残れるかは知らないが、せいぜい達者でな。・・・こいつは餞別代りだ」 「こ、これは・・・」 俺は先生の愛用していた備前長船のセラミックサーベルと90年もののシャブリをもらう。 「こんなものを・・・いいのか?」 「ああ、構わねえ、もってけ。そして生きてたら・・・また連絡しろよな。仕事はたんまりあるからよ」
そういってニヤリと笑うそのおっさんの姿すら俺には遠い昔の夢のように感じられた。
「・・・ありがとう。で、さしあたってどこに行けばいい?」 「おお、忘れてたな。これだ。この地図に載ってる場所に行けばけ〜じはいる。また神託があってな」 「・・・情報操作に引っかかってて罠だなんてことはないんだろうな?」 「その心配はねえ。神託に誤りがあったらそりゃ世界の終わりを神様が望んでるってことだからな。」 「はっ・・・そうかもな。ま、神様がこんな世界の存続を望んでいるとも思えないがな・・・」
「じゃあな、また・・・」
いや・・・・。次はないかもしれない・・・
「・・・なあ、せっかくの上物のワインなんだ、乾杯といかないか?」 「へっ。何をいってやがる。俺は酒が飲めねぇんだ。だからくれてやったまでさ。・・・・・死ぬ気はないんだろう?」
俺はそんな先生の言葉に苦笑せざるを得なかった。
「まったく・・・人を困らせるのが大好きな人だな・・・そうだな、俺はまた戻ってこれるさ・・・」
そしてその場所へと車を走らせる・・・行き先は・・・長野の第二東京。
しかしそんななか俺はまだ自分がこの事件の入り口にすら立っていないことがわかっていた け〜じは捕まっている、その上捕まっている組織がどんなところか見当もつかず・・・ 俺自身も何をしたらいいのか、何をしていいのか・・・
さまざまな謎を残しつつ、俺はただ生きる目的をけして見つけることのない運命の歯車のひとつのように動き始めた・・・
to be continued...........